以下の文章は、アスペの会のニュースレター「アスペ・ハート」に私が書かせてもらったものです。
昨年は、ぼくとしたことが、ちょっと生き方を変えてしまいました。
別に一生独身でもいいじゃないかって思ってたんだけど(ただし、いつもガールフレンドに不自由しなければという条件でね)、いろいろあって独りモンでなくなってしまいました。
2年前に自分がアスペであることを知って、「アスペルガーの館」ってホームページを作ったとき、いかしたアスペな女のコと知り合いたいなという下心がちょっぴりあったかもしれないけど、ほんとうにそうなったというか、自分もアスペだというメールをくれた女性と出会っておつきあいして、いっしょに暮らそってことになったのでした。
インターネットで出会って結婚までしちゃうカップルって最近よくいるようだけど、まあぼくたちもそんなふうになっちゃったわけです。二人とも姓が変わったりなんだりのめんどうは嫌なんでとりあえず事実婚ってことだけどね。彼女は医療関係の難しい仕事してて働きもんで偉いです。しがない怠けものの個人プログラマーのぼくと、まったくよい組合せであります。
ひとりの気楽な生活になれていたから、人といっしょの生活なんてすごく大変だろうなと覚悟してたのだけれど、そんなこともなくて、わりと楽ちんな暮らしです(ときどき彼女に怒られるけどね、家事の分担をサボってる、とかで)。
世の中に逆らって生きてるからでしょうか、ひどい年だったといわれる年のほうがぼく個人にはいいことあるみたいです。今年も楽しみですねぇ、なんせ1999年・・・、いえ、世界中のみんなにいいことありますように。(恐怖の大王ってぼくのことかな)
さて、好奇心旺盛な読者のみなさまは、アスペどうしの結婚生活って? と興味津々なことでしょう(ぼくはサービス精神でこんな文章を書いてるのであって、のろけてるわけでは決してないのですよ。勘違いしないでね)。別にアスペの夫婦だからといって特別なことはがっかりするほど何もなくて普通にべたべたしながら仲良く暮らしてるだけです。(でもアスペの中には、体の接触を嫌ってセックスに関心をもたないという人たちもいるようですね。ドナ・ウィリアムズやテンプル・グランディンもそう書いてたし。ぼくたちは別のグループに属するのでしょうか? とても疑問なとこです)
ふたりの子供ができたら? いまのところほしいとも思わないけど、失敗してできちゃってしょうがないから産もうということになったりして(日本の女性が子供を産むもっともありふれた理由ですね)。ぼくたちの子供もきっとアスペになることでしょう。もうぜんぜん平気です。だって両親とも髪の毛の色が黒いのに生まれてきた子供が金髪だったりしたら、びっくりでしょ。ぜんぜんアスペっぽくない子供だったりしたら、びっくりしてうろたえてしまいます。そのうち「おとうさんは協調性がないから嫌い!」なんてわが子に言われたらどうしよう、と心配になります。
まあ、Que sera sera、なるようになるさ。将来のことは、将来なんとかなってゆくものです。(このようなまっとうな考えのぼくを彼女は、将来のことをまじめに考えていないといって非難するのだ。まったく性格の不一致だぜ!)